現代社会では情報処理技術や生物工学技術などの発達に伴い、ビッグデータと呼ばれる大量のデータが蓄積されています。これらのデータに対し機械学習などの情報解析技術を用いた解析を行うことで、新たな知見の獲得や予測モデルの開発を行い、人間の思考・決断の助けになるような技術の開発を目指しています。現在はタンパク質の機能に関わる領域を予測する機械学習モデルの開発に加えて、ドローンを用いた農業やスポーツにおけるデータの収集・解析など生命科学に限定せず幅広い分野に解析対象を広げています。
タンパク質の構造やゲノム情報を情報学の手法を用いて解析しています.特に,天然変性タンパク質に関する研究を長年続けてきました.タンパク質はアミノ酸が数十から数百繋がった紐状の分子で,この紐状の分子は立体的に折り畳まれ構造を形成することで機能を発揮します.しかし,天然変性タンパク質は、紐状のまま存在しなおかつ機能を有しています.タンパク質構造の計算機による解析では,前世紀の末からAIを用いた研究が行われており,本研究室でもAIを用いた天然変性領域予測の研究を行なっています.
生成AIはヒトの脳の仕組みをコンピュータで再現する研究から発展してきました。私の研究室では、生き物が持つ高度な情報処理の仕組みについて調べ、工学への応用を目指しています。そのためのコンピュータシミュレーションに必要な数理モデルの作成と数値解法の考案を行っています。また、グラフィックスボードを利用した数値解法の並列化と高速化、コンピュータシミュレーションを容易に行うためのアプリの開発を行っています。
主な研究内容は大別して、二つのテーマで研究を行っています。一つは信号処理の一分野である情報推定及び抽出の理論とその応用に関する研究です。二つ目のテーマは、ICT技術に基づく情報メディアネットワークの構築とこれを利用して新しい地域文化や産業構造を構築する研究を行っています。
オミックス(Omics、オーミクス)は、「すべて」などを意味するomeに「学問」を意味するicsを合成した造語で、膨大な生物学的情報から相互作用や機能を解析する分野です。特に植物や環境データに注目しており、生物と環境の相互作用を理解することで、農業への応用や環境保護への貢献を目指します。
パズルのような組合せ数学問題からセキュリティを考慮したネットワークシステムの設計まで、幅の広いテーマを研究しています。「アルゴリズム」と「セキュリティ」がキーワードです。組合せ数学問題を解くアルゴリズムは、セキュリティ技術の開発に応用され、セキュリティ技術はネットワークシステムの設計に役立てられます。研究室では、セキュリティを意識した技術開発を目指しています。