変革の時代にみる社会の特徴は、学際領域の学問の発展である。既存の学問領域の枠を超えた異分野融合による新しい学問の創成とそれによる産業構造の変革である。
人類にとって真に豊かな未来の創造のためには、新しい価値観に基づく新たな科学技術の創出と併せて自然との調和ある社会の建設が強く求められている。
高度経済成長の終焉を迎え、社会における大学の責務も大きく変貌し、既成の学問の探求に留まることなく学問領域を俯瞰できる人材の育成が一層重要になってきた。
本学は、地域の知の拠点としての役割を一層明確にするために、博士前期課程を建設工学専攻、建築学専攻、生命情報学専攻、システム生体工学専攻及び生物工学専攻の5専攻とし、高度専門技術者の養成を一段と充実させてきた。
国内外が変革期を迎えている今、環境・生命が融合した学問領域を発展させるため、それぞれの専門領域で真のリーダーとなるとともに広く学問領域を俯瞰できる人材及び国際的研究者を育成するために、大学院博士後期課程を現在の環境・情報工学専攻から環境・生命工学専攻へと改編する。
なお、この改編により、平成15年度に開設した環境・情報工学専攻の平成25年度以降の学生募集を取りやめ、現在同専攻に在籍する学生の修了をもって同専攻を廃止する。
環境・生命工学専攻
⇒ 平成25年度の学部・大学院構成図
平成25年4月1日
環境・生命工学専攻で養成しようとする人材は、自立性と自主性を持って環境共生技術や生命工学技術についての専門知識を深め、これらの融合による技術革新を独創的に推進する優れた研究者及びより高度な専門技術者である。環境・生命工学専攻では研究者養成により重点を置く。
環境・生命工学専攻は、博士前期課程の教育研究を基盤として、さらに深化した教育研究を実施するため、持続的発展可能な循環型社会の構築を環境負荷低減の視点から推進する環境共生技術と人々の医療・福祉・食・環境における質の高い生活を実現するための生命工学技術を教育研究する。また、環境共生技術と生命工学技術の融合による技術を研究によって推進する。これら教育研究の目指す方向は、地域の環境を構成する要素を自然、人間活動、人工物として捉え、これら構成要素間の環境負荷と構成要素全体の環境負荷を調和して総合的に低減する環境共生技術、生物の持つ精巧かつ多様な機能やメカニズムを効果的に利用することによって人々の生活や産業における課題を解決する生命工学技術及びこれらの融合を主眼とする科学技術の進展や新技術の推進である。