2014年12月アーカイブ

田中 恒夫(たなか つねお)


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工学部/社会環境工学科 教授
大学院工学研究科/建設工学専攻/環境・生命工学専攻

専門分野 水質工学 循環システム工学
担当授業科目 環境水質工学 水環境工学 循環システム工学 環境工学実験など
大学院/水質工学特論 循環システム工学特論 建設工学論A,Bなど

私のプロフィール

自ら焙煎したコーヒー豆を手動ミルで挽き、ドリッパー一体型のガラス製サーバーを用いておとす、ジャズを聴きながらその香りを楽しむのが目下の趣味となっている。

最終学歴 群馬大学大学院工学研究科博士後期課程修了
学 位 博士(工学)
所属学会

土木学会 水環境学会 環境科学会 環境技術学会など

連絡先

TEL / FAX 027-265-7363  E-Mail t-tanaka@maebashi-it.ac.jp
ホームページ https://www.maebashi-it.ac.jp/
※ メールアドレスをコピーする際は@マークを半角にしてください。

技術相談・講演・共同研究に応じられるテーマ

流域・集水域マネジメントに関する研究
排水の再生・高度・高次処理に関する研究
電気化学的手法による資源・エネルギー回収

キーワード

持続可能性、地域物質循環圏、生物多様性、予防原則、電気化学システム

現在取り組んでいる研究内容

持続可能な社会の構築に向けて、物質循環利用・CO2削減(低炭素化)・生物多様性保全の統合的な取組が様々な国と地域で行われている。鉱物資源の確保及び地球環境の保全の観点から、"reduce"、"reduce"、"reuse"、"recycle"の「3R」活動が政府主導で積極的に推進されたこともあり、循環型・低炭素社会に対する市民の意識は徐々に高まりつつある。しかしながら、生物多様性の保全(自然共生社会)への関心は必ずしも十分とはいえない。人間の福祉は生態系サービスに依存するところが大きく、また、人為的活動により発生する負荷は自然生態系により緩和されていることから、生物多様性の保全は物質循環利用やCO2削減に比してより深いところに位置付けられる。現在の経済活動の水準を維持しつつ生物多様性の保全を達成するためには、新たな価値観による制度やシステムなどの再構築が必須である。                                                                 このような状況を踏まえ現在、「持続可能性」、「自然共生」、「生物多様性」、「環境と経済」、「エントロピー」、「健康」、「予防・未然」などをキーワードに研究開発を進めている。最近では,電気化学的手法を応用した資源回収プロセスを中心に研究開発を行っており、その技術を中心とした自然共生地域物質循環システムの構築を目指している。具体的には、電解プロセスにより排水から栄養塩類や水素エネルギーなどの資源を回収し、それらを地域に還元して循環利用する、地域資源循環圏の構築の可能性について数理モデルなどを用いて検討している。
この他、電気化学的手法を用いる濃縮・分離・中和技術、炭素繊維を用いる高速ろ過、放射線技術による微生物担体の作製などについて研究を行っている。                                                                                                    

主な研究業績

論文

1) 田中恒夫,荻原健史,小林幸夫,木下恵理,杉山英行:浄化槽から排出される汚濁負荷とその河川・沼水質への影響,水環境学会誌,第30巻,第4号,pp.219~225,(2007)

2) 田中恒夫,小池範幸,佐藤孝志,新井忠男,平靖之:電解法による畜産排水からのリン酸塩の回収,水環境学会誌,第32巻,第2号,pp.79~85,(2009)

3) 田中恒夫,吉田享史,杉戸千裕:多孔質電極を用いる簡易電気泳動装置による水溶液系におけるイオン種の分離,環境技術学会誌,第38巻,第4号,pp.60~66,(2009)

4) 宮本豊尚,岡本誠一郎,桜井健介,田中恒夫:下水道施設への電解結晶法の適用可能性検討,環境システム計測制御学会誌「EICA」第15巻,第2・3合併号,pp.213~216,(2010)

5) 田中恒夫,熊耳純平,永田優香,荒井堅一:群馬県鶴生田川・城沼における水質汚濁の現状,環境技術学会誌,第40巻,第7号,pp.44~51,(2011)

6) 田中恒夫、宮本豊尚:電解晶析法による畜産排水からのリンとカリウムの同時回収、土木学会論文集G(環境)、第69巻、第1号、pp.1-9(2013).

7) 田中恒夫、柳澤敬義:有機高分子ゲルの脱窒反応における電子供与体としての利用可能性、土木学会論文集G(環境)、第70巻、第3号、pp.53-58(2014)

共同研究

件数:数社

その他

特許第4376041号「水浄化用ユニット,水浄化用ユニット集合体および水浄化方法」,特許権者:田中恒夫 他

授業紹介・研究室紹介

1・2年次の専門基礎科目を学んだ後、社会基盤工学と環境工学に関する演習・実験を行います。これらを通し、講義で習った理論などをより深く理解した上で、所属研究室を選び、卒業研究に取り組みます。

地盤工学Ⅰ

lesson_civ01.jpg社会基盤施設を下から支えるのは地盤です。また、砂や粘土は盛土などの材料として使われます。そこで、地盤を形づくっている土について、その分類法や力学的な性質を学びます。土は土粒子・水・空気から成り立っており、たいへん複雑で面白い挙動を示します。各種施設の設計のために重要な科目です。主体的に勉強できるように演習を課します。

景観工学

lesson_civ02.jpg景観工学は、個々の景観が固有の文化であるという立場に立ち、普遍性を持つ理論的な目で、国土の形姿から身の回りの環境に至るまでその質の目利きをします。また、居心地の良い美しい環境を創り出すために、種々の学問分野の知見に学びながら景観独自の原理の発見と、それに基づく理論及び技術的知識体系の構築を目指します。

研究室

構造工学研究室 担当教員/岡野 素之

鉄筋コンクリート構造を対象として、実験や解析により、破壊に至る基本的性能や地震にどのように抵抗するかを研究しています。

テーマ例
  • 制震構造物
  • 既存RC構造物の耐震補強
  • コンクリートによる放射線の遮蔽
  • 新しい鉄筋の継手
学びのキーワード
  • 構造工学/複合構造/放射線遮蔽効果/耐震構造

景観研究室 担当教員/小林 享

都市並びに自然環境の美しさと楽しさを創り出すための技術的手法を景観工学及び人文社会科学の知見を織り交ぜて研究しています。

テーマ例
  • 景観計画・設計
  • 観光計画
  • 食文化 など
学びのキーワード
  • 景観デザイン/環境計画/地域計画/民俗学

地盤材料研究室 担当教員/土倉 泰

土の液状化試験や石積み構造物に力を加えるシミュレーションを行い、社会の安心・安全へつながる基礎的研究に取り組んでいます。

テーマ例
  • 砂や砕石のような粒状材料の変形・強度
  • 地盤情報データベースの有効活用
学びのキーワード
  • 土質力学/応用力学/地盤情報

循環システム工学研究室 担当教員/田中 恒夫

生産や生活などの過程で不要となった物質(元素)の循環利用やそのシステムの社会実装などについて研究しています。

テーマ例
  • 流域・集水域マネジメントに関する研究
  • 排水の再生・高度・高次処理に関する研究
  • 電気化学的手法による資源・エネルギー回収
学びのキーワード
  • 持続可能性/地域物質循環圏/生物多様性/予防原則/電気化学システム

地域・交通計画研究室 担当教員/森田 哲夫

まちづくりや交通計画を立案するために、都市の成り立ちや人の行動・意識について調査し、都市の問題・課題を定量的に分析します。

テーマ例
  • 定量的な予測・評価に基づく都市・交通計画
  • 調査データを用いた生活・行動分析
  • 総合的な都市計画による環境評価に関する研究
  • 地域や市民参加による都市計画策定プロセスに関する研究
学びのキーワード
  • 地域計画/都市計画/交通計画/防災計画/社会システム/環境計画

水理学研究室 担当教員/梅津 剛

水理研究室では水流の基礎現象である開水路流れ、管路流れ、波、渦などを、様々な角度から観察、解析します。

テーマ例
  • 実河川をターゲットとした有限要素法による流れ解析システムの開発
  • 自然エネルギーの水環境問題への応用
  • ビオトープ構築手法に関する研究
  • 閉鎖循環型水槽の諸問題解決手法に関する研究
学びのキーワード
  • 流体力学/水理学

コンクリート研究室 担当教員/舌間 孝一郎

コンクリート構造物の耐久性能向上に取り組んでいます。また、高強度高靱性コンクリートによる補強・制震部材を開発しています。

テーマ例
  • コンクリート構造物の非破壊・微破壊検査
  • コンクリート劣化のモニタリング・簡易測定
学びのキーワード
  • コンクリート/長寿命化/維持管理

建設材料化学研究室 担当教員/佐川 孝広

コンクリート分野での環境負荷低減を志向し、各種混和材料を用いたセメント硬化体の水和反応と硬化特性に関する研究を行います。

テーマ例
  • コンクリートの高機能・高性能化
  • コンクリートの環境負荷低減
  • セメント系材料の水和反応解析
学びのキーワード
  • セメント/コンクリート/水和反応

鋼構造学研究室 担当教員/宮川 睦巳 

鋼構造物を対象として、地震発生時の挙動解析や腐食や疲労のための補修、補強による耐力向上に関する研究を行っています。

テーマ例
  • 鋼橋の耐震性能の向上と腐食および疲労の補修、補強方法の検討
  • AI技術を用いた損傷検知、損傷度評価
  • 新機能材料を用いた鋼構造物の健全性評価
学びのキーワード
  • 鋼構造学/機能材料/情報工学/弾性論

水工学研究室 担当教員/平川 隆一

地表水や地下水を対象として、水の流動・物質移動・生態系への影響を解明し、人間活動とのバランスのとれた流域環境を研究します。

テーマ例
  • 洪水・氾濫流の挙動や河床・河岸変動に関する研究
  • 水辺の自然再生・環境整備を図るための水理学的評価に関する研究
学びのキーワード
  • 水理学/河川工学/水文学/環境水理学

防災地盤工学研究室 担当教員/森 友宏

地震による地盤の液状化や建物倒壊、豪雨による斜面崩壊や土石流など、地盤や水が関係した災害を防ぐための研究を行っています。

テーマ例
  • 自然災害と防災技術
  • 人工造成盛土地盤の安定性(静的・動的) 
  • 地盤への水の浸透・保水特性が強度特性に及ぼす影響
  • 原位置サウンディング試験結果の地盤耐震設計への適用性
  • 廃棄物混入地盤材料の処理・利活用
学びのキーワード
  • 土質力学/地盤防災/地震防災/地盤環境工学

将来について

取得可能な資格

  • 土木施工管理技士
  • 土木工事技術者
  • 技術士・技術士補
  • 測量士・測量士補
  • 環境再生医初級
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 労働安全コンサルタント

(注)社会環境工学科(建設工学科昼間主コース)の教育プログラムは、日本技術者教育認定機構(JABEE)から認定されています。

卒業後の主な進路

  • 本学または他大学の大学院進学
  • 建設関連企業 (総合建設会社・建設コンサルタント会社など)
  • 環境関連企業
  • 鉄道・エネルギー関連企業
  • 県庁・市役所など公務員 ほか

在校生・卒業生メッセージ

視野が広がり、社会全体の見方が変わる。

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社会環境工学科 3年
春山 樹 さん
(群馬県立中央中等教育学校 出身)

もともと土木系の学問に興味があり、自宅から通える公立大学であるこの大学を選びました。前橋工科大学は、先生方や学生同士の距離が近いこと、実習時間がしっかり確保され、実践の基礎を固めることができる点に魅力を感じています。
専門的な知識が身に付くことで視野がより広がり、景観、材料、土質、構造、防災をはじめ社会全体の見方が変わりました。以前よりも世の中の動き、情勢にも敏感になったと感じます。今後は、さらに踏み込んだ専門的な内容や、個人的に興味がある景観や防災について勉強を深め、将来は社会に貢献できる人間になりたいと思っています。

社会で活躍する先輩からのメッセージ

現場の見学を通じて、土木の面白さを再認識

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国土交通省 関東地方整備局 利根川上流河川事務所 勤務
高田 聖也 さん
令和3年3月 社会環境工学科 卒業
(芝浦工業大学高等学校 出身)

利根川水系の流量観測や水質調査にかかわる業務の発注及び監督をしています。日々の業務に加えて、近年急速に進んだ建設分野のデジタル化に対応するため新しく学ぶことも多く、忙しくも充実した毎日を過ごしています。社会環境工学科では、現場の見学を通じて土木の面白さを再確認することができ、勉強の励みになりました。また、前橋工科大学では、他学科の講義も履修できます。土木はさまざまな分野と関わっているので、専門外の分野も広く学んでみることをおすすめします。公務員志望の方は筆記試験対策と同じくらい、面接試験対策も重要です。大学では、公務員試験向けに模擬試験や面接カードの添削も行っていますので、ぜひ活用して試験に臨んでください。

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