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星 和彦(ほし かずひこ)

hoshi.jpg前橋工科大学 学長
平成27年4月1日就任

専門分野 西洋建築史(英国建築)・建築文化資源学

私のプロフィール

建築史はともすれば現実とは関わりの薄い領域と考えられています。しかし、時間の流れのなかで建築が築かれてきたものであるかぎり、建築史は生活や美学、合理性や不条理など建築が内包するさまざまな要素を、人間の建築的営みにおける多様な創造として捉えようと試みます。私はその建築史に魅せられ、幅広い志向を大切にしたいと考えています。

最終学歴 東京都立大学大学院工学研究科博士課程修了
学 位 工学博士
所属学会 日本建築学会 建築史学会 地中海学会 日本イコモス国内委員会

連絡先

TEL 027-265-0111  FAX 027-265-3837  E-Mail hoshi@maebashi-it.ac.jp
ホームページ https://www.maebashi-it.ac.jp/
※ メールアドレスをコピーする際は@マークを半角にしてください。

技術相談・講演・共同研究に応じられるテーマ

1) 17世紀から19世紀にかけるヨーロッパ、とくに英国の建築と建築家
2) ヨーロッパや日本の居住環境の変遷や現在の問題点
3) 群馬県の歴史的環境と建築物の調査と、保存・活用

キーワード

建築史(英国建築史)、景観・環境、保存・活用

現在取り組んでいる研究内容

英国はユーラシア大陸の西端にあり、ヨーロッパの建築文化のさまざまな要素が流れ込んでいます。その多様な影響のなか、英国独特の方向性を創りだしたひとつの時期が17世紀から19世紀といえます。他方、日本もユーラシア大陸の東端にあたり、中国と朝鮮を経由したさまざまな影響をもとにしつつ、独自の建築を確立した時期のひとつに江戸時代があげられます。ユーラシアの東と西という位置、島国という条件の類似性への着目も動機の一部として、17世紀から19世紀の、日本では江戸時代にあたる時代の英国建築を研究対象としています。この時期、カントリー・ハウスやテラス・ハウスなどの建物やそこで育まれた文化、庭園の構成理論ともなるピクチュアレスクの思想など、英国を今も特色づける建築文化が形成される一方、ヨーロッパと共有された古典主義、新古典主義建築も展開されています。

このような背景から、最も主要なテーマには18世紀を中心とする英国建築家の研究があります。かれらの作品や著述の分析をとおし、イタリアやフランスの影響だけでは捉えきれない多様性や創造性について考究しています。また、現在もなお使い続けられている当時の住宅をみると、その居住性に特徴のあることが理解されます。それがどのように形成されたかを検証するとともに、建築物やまちなみが保存され活用されている方法や仕組みも、今日的な課題と考え取り組んでいます。この保存・活用は現在の群馬の建築を取り巻く問題点でもあるといえます。以上に述べた17世紀から19世紀にかける時期の英国建築の性格には、英国における経験主義的思考の伝統も反映されているように思われます。この視点から、こうした英国建築家の建築に対する知的なアプローチの独自性とは何かを明らかにすることも重要な課題と考えています。

主な研究業績

著書

1) 星 和彦他15名、『パラレル-建築史・西東』、本の友社(2003)

2) 星 和彦他12名、『ノコギリ屋根工場群の活用による都市再生モデル調査報告書』、経済産業省関東経済産業局(2005)

3) 星 和彦他6名、『図説西洋建築史』、彰国社(2005)

4) 星 和彦他5名、『元総社用地(染谷川右岸)利活用調査報告書』、群馬県住宅供給公社(2011)

5) 星 和彦他9名、『世界の建築・街並みガイド2 イギリス/アイルランド/北欧4国』、エックスナレッジ (2012)

論文

1) 星 和彦、「オーダーの割り付け方法に関するB.ラングレィの認識について」、2012年度日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)、2012年9月.F-2、pp.327-328

2) 星 和彦、「オーダーの図面にみるラングレィの古典主義建築観の展開」2013年度日本建築学会大会学術講演梗概集、建築歴史・意匠(F-2)、pp.783-784、2013

3) 星 和彦、「W.チェンバーズの建築を評価する視点について」、2013年度日本建築学会関東支部研究報告集Ⅱ、pp. 417-420、2014

共同研究・その他

1) 平成22-23年、「元総社用地(染谷川右岸)利活用調査業務委託」 (受託研究、群馬県住宅供給公社)

2) 平成22-24年度科学研究費補助金 基盤(C) 18世紀英国における新古典主義建築と中世復興主義建築の相関性の検討

3) 平成25-27年度科学研究費補助金 基盤(C) 英国18世紀の新古典主義建築思潮における経験論哲学の影響に関する考察