2014年12月アーカイブ

カリキュラム・卒業認定基準

CURRICULUM POLICY

生物工学科では、ディプロマ・ポリシーを達成するために、共通教育科目、専門教育科目(専門基礎科目、専門科目)に分けて、以下のカリキュラムを開設し、年次に従って実施します。

  1. 1、2年次においては、教養科目から成る共通教育科目を履修するとともに、生物工学の基礎知識を修得するための必修科目である専門基礎科目を履修する。
  2. 3、4年次においては、生物工学を応用した医薬品、食品、化学、環境産業などの研究開発の基礎となる専門科目を履修する。
  3. 生物工学研究では、様々な事象を論理的に説明するための仮説を設定し、実証実験を繰り返しながら仮説の真偽を検証することが重要である。この観点から、講義による基礎知識の修得とともに、1年次は基礎生物工学実験Iおよび基礎生物工学実験IIを、2~3年次は生物工学実験I~IVを全員が履修して、仮説の証明のための基礎となる実験技術の基本を幅広く修得する。
  4. 卒業研究は、専任教員の研究室に所属し、具体的な研究活動の体験を通じて、高度の実験技術を修得する。また、テーマの設定や文献調査、学術論文の作成法、プレゼンテーション方法、討議の仕方などの基礎を学ぶ。

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DIPLOMA POLICY

卒業に必要な単位数を修得し、以下に示す能力を有すると認められたものに学位を授与します。

  1. 生物に備わる機能と情報の仕組みを理解する能力を有する。
  2. 様々な事象から問題点を見出し、その解決方法を論理的に考えることができる。
  3. バイオ、化学、食品等の関連産業における専門知識と実践技術を有する。
  4. 技術者としての倫理に則り行動することができる。
  5. データや情報を集約して分析し、わかりやすく発表、説明することができる。
専門教育科目
専門基礎科目
専門科目
必修
必修
選択
1年次
前期
有機化学Ⅰ
基礎生物工学実験Ⅰ
情報処理演習
後期
基礎生物工学実験Ⅱ
分析化学
有機化学Ⅱ
2年次
前期

生物工学概論
分子生物学Ⅰ
生化学Ⅰ
微生物学
生物情報処理演習
生物工学実験Ⅰ

遺伝子工学

バイオ統計
生理学

後期
分子生物学Ⅱ
生化学Ⅱ
物理化学
生物工学実験Ⅱ
3年次
前期
生物有機化学
機器分析
食品生化学
公衆衛生学・関係法規
生物化学工学
生物工学実験Ⅲ
バイオ技術英語Ⅰ
植物生理学
脳神経工学
微生物利用学
糖鎖生物学
後期
食品製造学
生物工学実験Ⅳ
バイオ技術英語Ⅱ
機能性食品学
微生物生理学
植物栄養学
プロテオミクス
免疫学
4年次
前期
卒業研究
後期

» 3つのポリシー 工学部

授業紹介

生物工学科では、講義による知識の修得に加えて実験を重視した教育を実施しています。実験は、1年次から3年次まで最低毎週1日、午後の時間に実施しています。

機能性食品学

超高齢社会を迎えた今日の日本では、病気になる前に予防する予防医学が注目されています。私たちが毎日摂取する食品には様々な機能がありますが、栄養素の補給、おいしさを楽しむといった機能に加え、近年では病気の予防や健康増進という新しい機能が注目され、実際に多くの機能性食品が開発されています。機能性食品学では、食品中に含まれる様々な機能性成分について学ぶとともに、これらの機能性成分が生体にどのように作用し病気の予防効果を発揮するのかその科学的メカニズムについて、実際の特定保健用食品などを例に学びます。

機器分析

生物は様々な化学物質から構成されており、それらの物質が化学反応することによって生命は維持されています。生命現象を深く理解し、生物資源を有効に利用するための研究では、生体物質の構造や含量について詳細に調べることが求められます。また、食品や医薬品などの産業においても製造や品質管理のための分析技術が必須です。「機器分析」では、生体や食品、医薬品などを構成する物質を適切に分析できる能力を身に付けるため、生物工学分野でよく用いられる機器分析法の基本的な原理、装置概要と解析方法について学びます。

研究室

分子生物学研究室 担当教員/善野 修平

分子生物学的手法を用いて、遺伝子発現制御、生体内酸化還元、生物発光現象に関わる遺伝子やタンパク質の研究を行っています。

テーマ例
  • 変異原
  • プロバイオティクス
  • 発酵
  • 天然酵母
  • 土壌微生物
  • RNAサイレンシング
学びのキーワード
  • 酵素/RNA/人体有害物質

生物工学科応用微生物研究室 担当教員/尾形 智夫

パンやお酒、味噌醤油を作る微生物、酵母や酵母の遺伝子を研究し、よりよい製品を作るお役立ちをしたいと思っています。

テーマ例
  • 産業用微生物(特に酵母)の育種、解析
  • 食品汚染微生物の同定、解析
学びのキーワード
  • 発酵生産/微生物機能/微生物利用学/産業微生物ゲノム

植物代謝工学研究室 担当教員/本多 一郎

植物ホルモンは様々な局面で植物の生長を制御しています。その機能解明による生産性向上などを目指し研究しています。

テーマ例
  • 植物の生長における植物ホルモンの役割、機能の解明
  • 植物の生長を制御するための技術開発
  • 植物が生産する内生成分の変動解析
学びのキーワード
  • 植物成長調節物質/生物制御化学/野菜、食用作物

食品機能開発工学研究室 担当教員/本間 知夫

農産物に含まれる機能性成分を探索・利用する方法、様々な処理により食品の付加価値を高める方法の開発を行っています。

テーマ例
  • 食品及び天然物資源成分の機能性・安全性評価とその応用
  • ポストハーベスト処理による高付加価値食品の開発
  • 電気的手法による植物生体情報の非破壊的診断技術の開発
学びのキーワード
  • 腸管機能/動物実験/食品機能性/電気的手法/ポストハーベスト工学/樹木診断/環境評価/根、クワ、ウメ、チャ、コンニャク

ゲノム生物学研究室 担当教員/山下 聡

細胞はゲノムに情報を、エピゲノムに情報の使い方を記録しており、その変化は各種疾患と関係しています。エピゲノム、ゲノム異常の解析を分子生物学・細胞生物学・生物情報学的に行い、人々の健康な生活に貢献することを目指しています。

テーマ例
  • エピゲノムを変化させる化学物質の細胞系スクリーニングシステムの構築
  • データベース探索による各種疾患でエピゲノム異常を示す遺伝子の網羅的解析
  • 各種サンプルからの効率的な核酸抽出法の開発
学びのキーワード
  • ゲノム/エピゲノム/バイオインフォマティクス/データベース/DNAメチル化/ヒストン修飾/突然変異/がん

微生物工学研究室 担当教員/林 秀謙

微生物工学研究室ではヒトの腸内細菌の機能解析、新規セルロース分解性細菌の解析、微生物菌叢解析などを行っています。

テーマ例
  • 分子生物学的手法による細菌叢の解析
  • 酵素生産
  • 微生物の分類・同定
学びのキーワード
  • 微生物学/応用微生物学/微生物生態学/微生物分類学

生物機能化学研究室 担当教員/星 淡子

食品等を用いて疾患病態の予防改善効果を検討します。また、地域の生物資源より生体材料を創り、機能性を生化学的に評価します。

テーマ例
  • 天然高分子を用いた素材開発
  • 皮膚及び骨疾患に関する予防及びメカニズムの解明
  • 機能性改変酵素の設計と発現の検討
学びのキーワード
  • ヒアルロン酸/骨疾患/生活習慣遺伝子/コラーゲン

食品生理機能工学研究室 担当教員/薩 秀夫

食品生理機能工学研究室では、病気の予防効果が期待できる機能性食品成分を探索しその生体への作用について研究しています。

テーマ例
  • 疾患関連分子に対する食品成分の機能性評価及びその作用メカニズム
  • 食品成分の腸管上皮細胞透過機構の細胞レベルでの解析
  • 生体分子を制御する低分子化合物の探索評価系の構築及び探索
学びのキーワード
  • 機能性食品成分/トランスポーター/腸管上皮細胞/核内受容体/GPCR/解毒/抗炎症

植物分子育種工学研究室 担当教員/中山 明

植物の環境適応能力は、移動できないからこそ高いと言えます。そこで、植物の能力の仕組みを解明し、その応用を目指しています。

テーマ例
  • 植物の病害抵抗性機構の解析
学びのキーワード
  • 病害抵抗性/植物分子育種

将来について

取得可能な資格

  • 食品衛生管理者の任用資格(国家資格)
  • 食品衛生監視員の任用資格(国家資格)
  • 甲種危険物取扱者受験資格
  • 高等学校教諭一種免許状(理科)

卒業後の主な進路

  • 本学または他大学の大学院進学
  • 食品関連企業
  • 医薬品関連企業
  • 環境関連企業
  • 植物育種関連企業
  • 分析業務関連企業
  • 教育関連分野 ほか

在校生・卒業生メッセージ

自分で考え、調べ、理解することを大切に。

生物工学科 3年(現在は卒業生)
永井 紗希 さん
(栃木県立栃木女子高等学校 出身)

医薬品や新しい治療法の開発に漠然とした興味があり、生物についてさまざまな面から学ぶことができるこの学科で、より興味の持てる分野を見つけたいと思い、生物工学科を選択しました。実験機器も充実しており、ガラス張りの実験棟の建物がきれいで、私のお気に入りの場所です。大学に入ってから、新たな知識を与えられるだけでなく、詳しく知りたいことや疑問に思ったことを自分で考えて調べ、理解しようとする姿勢が身に付き、暗記より理解することを大事にするようになりました。これまでこの学科で勉強して、特に体内で働くタンパク質に興味を持ったので、詳しく勉強し、製薬関係の開発研究等の仕事に就けたらいいなと思っています。

社会で活躍する先輩からのメッセージ

先生方の手厚いサポートに支えられて。

富山県高岡農林振興センター 農業普及課 勤務
高正 藍 さん
平成31年3月 生物工学科 卒業
(富山県立南砺福野高等学校 出身)

富山県内の生産作物の栽培指導や現地での調査研究、経営支援などの業務にあたっています。気象や経済などの影響を受けやすい農業の、目まぐるしい変化に対応することは大変ですが、同時にやりがいを感じています。
学生時代は、生物分野に関わるさまざまな実験を行いました。そのときに学んだ実験結果のまとめや考察の仕方は、現場での調査研究など現在の仕事にも役立っています。また、前橋工科大学は、先生と学生の距離が近く、学習面はもちろん、就職活動においても手厚くサポートしていただきました。就職活動は、これまでの自分を振り返り、「自分はどんな人間か」ということをしっかりと分析して臨むことが一番大切だと思います。

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