前橋工科大学 研究・産学連携推進本部
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研究分野

粒状体のような剛体要素集合体のせん断特性についての研究

地盤材料研究室
担当教員:環境・デザイン領域 教授 土倉泰

本研究室では、石積み構造物や空積みブロック擁壁、不飽和土などの粒状体を対象に、その安定性や変形挙動の粒状要素法による解析、砂の繰返し非排水三軸試験等を行います。構造物の安全性評価や自然災害に強いインフラ設計に寄与するため、現象を力学的に定量化する研究を進めています。

主な研究成果

石積み構造物の安定性評価に向け、不規則形状の自然石を粒状要素法に適用できるようにモデル化し、実験との比較で傾斜によるすべり挙動を精度よく再現できることを示しました。また、空積みコンクリートブロック擁壁に対しては、水平力によるブロックの浮き上がりと転倒に至る過程を実験とシミュレーションで比較したところ同等となり、ブロックの浮き上がり荷重を定量的に予測できるという結果を得ました。最近は、不飽和粒状体の強度特性に関係するメニスカス水の分布の可視化に取り組んでいます。土粒子の縄張りや水・空気部分のCAD作図です。土粒子間の微視的な水分状態と力学特性の関連を探る足がかりを得ようとしています。これらの研究は、離散材料の集合体とみなせる構造物の安全性評価や、土粒子集合体である砂のミクロな挙動の解明に寄与するものです。

どのような産学官連携ができるか

本研究室の強みは、自然石やブロックなど実際の建設材料を対象に、安定性や変形のメカニズムを力学的に解明し、設計や施工に役立つ知見を提供できる点にあります。石積み構造物の安全性診断や、擁壁設計における新たな基準づくりに貢献できると考えられます。また、メニスカス水となる微視的な水分挙動の可視化は、不飽和地盤を対象とした沈下・崩壊リスクの評価に応用することを見据えた研究です。マクロの現象をとらえるためにミクロの視点を活かしたいと思います。

SDGs該当番号

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

その他