生物を構成する細胞の中ではたくさんのタンパク質がその役割をはたしています。タンパク質の設計図である遺伝子の異常は病気の発症原因となります。当研究室ではそれらの病気について発症メカニズムを突き止めるとともに、治療薬として役に立つタンパク質医薬品の開発を目指しています。
分子生物学や生化学的手法を用いて、遺伝子疾患の発症機構解明に取り組んでいます。特に、タンパク質リン酸化酵素であるCyclin-dependent kinase-like 5 (CDKL5)の変異によって発症する精神発達障害CDKL5欠損症を主な研究テーマにしており、CDKL5欠損症発症に関与すると予想されるCDKL5の基質タンパク質を同定しています(Sekiguchi, Katayama et al. Arch Biochem Biophys. 2013)。また、新規技術開発として、CDKL5欠損症の診断ツールとして有用な簡便な酵素活性測定手法を開発しています(Katayama et al. Anal Biochem. 2019)。さらに、CDKL5欠損症の他にも様々な稀少疾患を研究対象とし、ゲノム編集法により細胞モデルを作製・解析することで、発症機構解明に向けた有益な情報提供を行っています(Katayama et al. Biochem Biophys Res Commun. 2018; Shiro Katayama et al. Mol Genet Metab. 2024)。
現在は培養細胞やゼブラフィッシュを活用し、研究を進めています。従って、ゲノム編集法によって特定の遺伝子を編集したモデルを作製可能であるため、これらの細胞、ゼブラフィッシュをお求めいただくことが可能です。また、私たちが所有している疾患モデルを用いて、化合物の活性評価を実施することも可能です。その他、電気泳動法を活用したユニークな手法開発も得意としておりますので、タンパク質の検出法や評価法をお求めの方も相談可能です。