文字サイズ + 標準
トップページ教育情報の公表 ≫ 生命情報学科の教育

生命情報学科の教育

教育理念

 情報科学と生命科学を融合させ、新しい専門分野の創造に貢献する技術者を養成する。すなわち、高度な知的情報処理技術を積み重ねて、情報科学の応用分野に従事する技術者、あるいはゲノム、タンパク質等の生命情報の情報学的解析や生物学的、医学的な応用、及びそれらのシステム開発から成る生命情報学分野に従事する技術者を養成する。

教育目的

 上記の教育理念に基づき、情報科学と生命科学の双方に通じる教育を行う。すなわち、高度情報化社会を支え、我々の生活に必要不可欠のものとなりつつある情報ネットワークシステムを基盤とし、システムの統合、高度な知的情報処理との融合を図って、高齢化社会を支える、安全で効率的なシステムの構築を図る情報ネットワークの分野と、生物に関する情報をバイオインフォマティクス、データマイニング、最適化などの手法を用いて解析し、生物と医学の発展に役立てるゲノム情報の分野である。学生には自身の適性に合わせていずれかの分野を主として選択させるが、もう一つの分野の設置科目を必要に応じて積極的に履修させることで、一方に偏ることなく両分野に渉る広範な知識を持つ技術者としての能力を習得させる。

教育目標

 生命情報学科では、情報科学と生命科学の双方に通じる下記の能力を身につけることを目標とする。

 1.情報ネットワーク分野に必要な能力

 a コンピュータシステムやネットワークシステムを設計・開発することができる。
 b システムを統合し、高度な知的情報処理と融合して、知能化・高度化を図り、広範囲な工学
  分野に新たな手法を提供する能力を持つ。
 c 人間の情報処理メカニズムを解明し、新たな認知モデルの発見や、医療・福祉、マーケティン
  グなど、医学的・工学的な応用を図る学際的研究分野を探求する能力を持つ。

 2.ゲノム情報分野に必要な能力

 d 医療分野の効率化を目的とした医療情報システムを設計・開発することができる。
 e ゲノム情報から新規の遺伝子やタンパク質を抽出し、機能予測などの解析を行うことができる。
 f ライフサイエンス関連データベースの注釈を行うキューレータとしての能力を持つ。
 g 生物情報や医療・農学などの情報を応用したゲノム情報システムを開発することができる。

教育方法

 前記の教育目的と教育目標を達成するために、共通教育科目、専門基礎科目、専門科目(情報ネットワーク分野、ゲノム情報分野)に分けて、以下のカリキュラムを開設し、年次に従って実施する。

1)共通教育科目では、社会人としての人格を形成するに必要な科目を履修するとともに、特に、国際化に対応できる語学力(英語)を身につける教育に重点を置く。

2)専門基礎科目では、情報リテラシ、数理論理学、離散数学、プログラミング言語・演習Ⅰ~Ⅳ、データ構造とアルゴリズム、生命情報学概論等の必修科目、さらに、データベース、情報ネットワーク、コンピュータアーキテクテャ、医療情報システムⅠ、分子生物学Ⅰ、Ⅱ、生物情報解析・演習等を履修し、実践的な応用の利く基礎力を身につける。

3)専門科目では、必修科目である生命情報学輪講、卒業研究の他、両分野共通となる情報セキュリティ、ソフトウェア工学、データマイニング等を履修しつつ、下記選択分野の科目を履修する。学生は、選択した分野の配置科目を中心に履修することになるが、必要に応じて他分野配置科目を積極的に履修することで、両分野に渉る広範な知識を持つことが可能になっている。

(1) 情報ネットワーク分野では、コンパイラ、計算理論、並列分散処理、オペレーションズリサーチなど、情報システムを高度化していく道筋となる科目を履修する。

(2)ゲノム情報分野では、この分野の応用に通じる進化情報学、機能ゲノミクス、プロテオミクス、バイオインフォマティクスなどの科目を履修する。

4)履修の進め方としては、主に共通教育科目と専門基礎科目は1・2年次、専門科目は3年次で履修するよう指導し、4年次では卒業研究に専念できるようにする。

5)分野の選択と科目履修に当たっては、両分野の標準履修モデルを参考に、自身の適性に合わせた適切な履修計画が立てられるようにする。