前橋工科大学 研究・産学連携推進本部
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研究・産学連携推進本部とは

令和5年度 公募型共同研究採択研究(アコン測量設計株式会社)

リモートセンシングとAI画像処理を融合した無散水消雪施設の点検手法の確立
~地元企業による地域に必要な技術開発・社会実装への挑戦~


■研究概要

凍結防止のための無散水消雪施設(ロードヒーティング)は、路面下に埋設された放熱管が年月経過と共に破損することがある。しかし、統一された点検手法が確立されておらず、損傷部の特定が困難な状況であるため、広範囲を迅速かつ簡易的に特定するための手法が求められている。そこで、実験、数値解析およびAIによる画像処理技術(CNN技術)にて損傷度検知、損傷度評価を行う。                     

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環境・デザイン領域 准教授 宮川 睦巳


【研究に対する想い】

 近年、インフラ施設の維持・管理は各地方行政の財政負担として大きくのしかかっており、冬シーズンを迎える前の事前点検で損傷部の特定と損傷度を把握し、計画的な補修計画を立てることは地方行政の負担軽減につながります。また、これら点検手法が統一されていないことから技術者の判断基準も曖昧となり、健全性評価の精度向上に至っていません。これら課題を解決することにより大きな波及効果が期待でき、インフラ施設の維持・管理の合理化、特許申請、商品化など社会実装に向けて取り組みたいと考えています。


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アコン測量設計株式会社


【企業担当者の研究に対する想い】

 無散水消雪施設は、路面下に埋設されたパイプに温水等を流し、道路表面を温めて積雪や凍結を防止するもので、積雪寒冷地における冬季の安全な交通を確保するという重要な役割を担っています。無散水消雪施設の能力を最大限発揮させるには、適切な維持管理が必要なことは言うまでもありませんが、現時点では効果的な点検方法が確立されておらず、漏水等の損傷が発生してから補修するという対処療法的な対応をせざるを得ないのが現状です。
 弊社では、以前から熱赤外線探査と地中レーダ探査を組み合わせて無散水消雪施設の損傷個所を把握するというアイデアを持っていましたが、実現化の目途は立っておりませんでした。今回、大学の研究力をお借りすることができ、一気に実現化への道筋が開けた思いです。この研究が成功すれば、無散水消雪施設の維持管理が対処療法的から予防保全的に進化し長寿命化が図れるとともに、維持管理に携わる方々の労力削減にも貢献できると考えており、ぜひとも成功させたいと思います。