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前橋工科大学工学部生命情報学科

  • タンパク質情報学研究室

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配列解析

  • 配列解析とは、タンパク質のアミノ酸配列の並び順等を解析することで、タンパク質の機能を予測したり、構造の特性に関する情報を得たりすることを言います。配列解析では、近年、天然変性領域の予測および解析に力を入れています。天然変性領域とは、細胞中で立体構造をとらずに伸びた構造をとる領域のことを言います。天然変性領域を多く持つタンパク質は、天然変性タンパク質と呼ばれます(天然変性タンパク質は、intrinsically disordered proteinの約で、英語ではこの他にintrinsically unfolded protein, natively unfolded protein等とも呼ばれます)。この領域は、立体構造を保持しないにもかかわらず、他のタンパク質と相互作用したり、リン酸化等の翻訳後就職を受けることで、転写調節、シグナル伝達等の中で非常に重要な働きを持っています。来ん研究室で開発した、天然変性領域予測システム・DICHOT、はアミノ酸配列から天然変性領域及び構想領域を予測するものです。今後は、データベースIDEAL(後述)の情報を基に、機能部位予測等へ発展させたいと考えています。
  • 参考文献
  • Homma K, Fukuchi S, Nishikawa K, Sakamoto S, Sugawara H. Intrinsically disordered regions have specific functions in mitochondrial and nuclear proteins. Mol. Biosyst. 8, 247-255 (2012)
  • Fukuchi, S, Hosoda, K. Homma, K., Gojobori, T. and Nishikawa, K. Binary classification of protein molecules into intrinsically disordered and ordered segments. BMC Structural Biology 11 29 (2011)
  • Fukuchi, S, Homma, K., Minezaki, Y., Gojobori, T. and Nishikawa, K. Development of an Accurate Classification system of Proteins into Structured and Unstructured Regions that Uncovers Novel Structural Domains: Its Application to Human Transcription Factors. BMC Structural Biology 9 26 (2009)


構造解析

  • 構造解析は、文字どうりタンパク質の立体構造を解析することです。本研究室では近年、立体構造をとらない領域「天然変性領域」に着目しています。しかし、「構造をとらない」というのは余り正確な表現ではありません。天然変性領域には他のタンパク質と相互作用する時に二次構造を形成する比較的短い領域の存在が知られているとともに、あるタンパク質では、同じ天然変性領域が相互作用するパートナーの違いにより、形成する構造が異なる例も知られています。伝統的なタンパク質立体構造の描像は、配列と構造が一対一に対応するものですが、天然変性領域ではこのことが成り立たない例が知られはじめています。このように、天然変性領域には新しいタンパク質構造の性質が見られるのです。しかしながら、天然変性タンパク質の生命情報学を行うには大きな困難が有ります。それは、データベースの量・質ともに不十分ということです。そこで我々は、天然変性タンパク質データベースIDEALを開発しています。天然変性タンパク質が計算機で利用可能な形で整備されることで、構造・機能部位の構造等の比較・解析が可能となり、変性領域の構造特性等の理解につながると考えています。

   参考文献

  • Fukuchi, S., Sakamoto, S., Nobe, Y., Murakami, D. S., Amemiya, T., Hosoda, K., Koike, R., Hiroaki, H., and Ota, M.* IDEAL: Intrinsically Disordered proteins with Extensive Annotations and Literature. Nucleic Acids Res. 40(D1) D507-D511 (2012).
  • Fukuchi, S., Sakamoto, S., Nobe, Y., Murakami, D. S., Amemiya, T., Hosoda, K., Koike, R., Hiroaki, H., and Ota, M. IDEAL in 2014 illustrates interaction networks composed of intrinsically disordered proteins and their binding partners. Nucleic Acids Res. D1, D320 – D325 (2014).


進化解析

  • データベースIDEALの情報を基に、構造領域・天然変性領域・機能性変性領域の間で、進化速度の解析を行っています。今後、進化解析にも力を入れてゆきたいと考えています。