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今考えると、自分が何故研究者を職業としているのか不思議に思うことがあります。私は、父親が木型・金型業を営んでいた関係で、父と一緒に風呂に入っていた頃は、「とうさんの会社を継いで、もっと大きくするんだ!」と言って、父を喜ばせていた記憶がかすかに残っています。零細企業の経営者が私の将来として決まっていたような環境で育ちました。もっとも現在50才を過ぎて、やっていることはまさにその通りでありますが・・・

高校は東京の板橋区にある私立城北学園高校へ進みました。残念ながら第一志望の公立高校には入ることができませんでした。高校では、山岳部に入りました。今考えるとこの選択はとても良かったと思っています。当時の山岳部は、とても厳しく、ひとりでは持ち上げることができないキスリングを背負わされて、日本アルプスを縦断したものです。うっそうとした森の中を、うだるような暑さの中を、必死に足を前に進めます。仲間と励まし合いながら、一歩一歩登っていきます。森林限界を越えると涼しい風を感じることができるようになり、すばらしい景色が眼前に広がります。きれいな景色を見るためにはたいへんな苦労をするわけです。しかし、世の中にはそれだけ苦労しても見たり、感じたりするべきことが存在しているということ。研究者になって、同じようなことを感じています。私が行ってきた実験研究はほんとうにそのようなものでした。たいへんな思いをしながら、「何故、こんな事をしなければならないのだ」と思いながらも、唯、実験に明け暮れて、最後に「世界で誰もみたことのない事実に自分が最初に触れる」ことの喜びを得ることができるのです。

寺田寅彦が「学者は頭が悪くなければならない」で書いているように、ロープーウェイやケーブルカーで一気に山頂に登ってしまうような研究のやり方をする「頭の良い学者」には、出会うことができない何かに自分は出会うことができるのではないか? そんな風に考えます。

前橋工科大学の学生諸君と一緒に何かわくわくするような研究をしたいと思っています。 


 
  1993〜97年、日本(大阪バイオサイエンス研究所、放射線医学研究所、浜松ホトニクス株式会社)とスウェーデン(ウプサラ大学)との国際共同研究として実施されたサブフェムトモルバイオ認識プロジェクトにおいて、「逆転視野の順応に伴う大脳視覚野視野地図の可塑的変化」を調べる実験を行い、自ら被験者として逆転視野ゴーグルを一週間連続装着して生活するという貴重な体験をしました。(当時雪の積もるウプサラの宿舎の前で日本側代表研究者渡辺恭良先生が撮影)
"Boys Be Ambitious"
クラーク博士の像の前で
   
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