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Department of Integrated Design Engineering 総合デザイン工学科

伊藤 公智(いとう まさとし)

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工学部/総合デザイン工学科  准教授
大学院工学研究科/研究科共通

専門分野

関数解析(ヒルベルト空間上の有界線形作用素論)

担当授業科目

線形代数Ⅰ・Ⅱ  線形数学Ⅰ  微分積分学Ⅰ・Ⅱ 微分方程式 基礎数理Ⅰ

数学特論B

私のプロフィール

三重県出身。大学(東京理科大学)進学時に上京し、大学院修了後、民間企業勤めを経て本学教員に着任いたしました。日々、あらゆることへの感謝の気持ちを忘れずに研究と教育に励んでまいりたいと思います。

最終学歴 東京理科大学大学院理学研究科数学専攻博士後期課程修了
学 位 博士(理学)
所属学会

日本数学会 国際数理科学協会

技術相談・講演・共同研究に応じられるテーマ

1) 作用素不等式とその応用

2) 非可換情報理論

キーワード

関数解析、情報数理

現在取り組んでいる研究内容

ヒルベルト空間上の有界線形作用素とは、一口でいえば、2次元空間から2次元空間への線形写像を表す2次行列の概念を無限次元に拡張したものである。
ヒルベルト空間上の正定値有界線形作用素の順序を保存する作用素不等式として1987年に確立されたフルタ不等式は、作用素エントロピー論、作用素平均の理論や他の作用素不等式、ノルム不等式など多くの有用な結果に対して応用され、その後の作用素論の発展に大きく寄与するものとなった。例えば、非正規作用素のクラス、すなわち正規作用素より弱い性質をもつ作用素のクラスに関して、1990年代以降、フルタ不等式を中心とした作用素不等式がこの分野、特にhyponormalやその拡張であるp-hyponormal、log-hyponormal、そして1960年代後半に盛んに研究が行われたparanormalといったクラスの研究に対して発展をもたらした。私は、その発展の一つとして、log-hyponormalとparanormalの中間であり、ノルム不等式によるparanormalと対応した作用素不等式によるクラスとして新たにclass A(およびclass A、paranormalの拡張)を導入し、作用素不等式によるクラス(class A)とノルム不等式によるクラス(paranormal)の興味深い平行性を示した。
また、作用素平均の理論は、量子情報理論や作用素の幾何学と密接な関連があることが知られている。最近、私は、作用素平均の理論を用いて、一般化フルタ不等式の更なる拡張を精密化した明快な表現を与えるなど、フルタ不等式に関連した不等式についていくつかの結果を得ることに成功した。量子情報理論に関しては、本学内外の研究者との共同研究によりいくつかの結果が得られている。例えば、藤井-亀井(1989)による相対作用素エントロピー、古田(2004)による一般化相対作用素エントロピー、柳-栗山-古市(2005)によるTsallis相対作用素エントロピーの間の関係を表す不等式やこれらのエントロピーの性質についてである。更には、古田(2004)による作用素版Shannon不等式を拡張した不等式を得ることにも成功した。                                                      現在は、これまでの研究に引き続き、作用素平均の理論の視点からフルタ不等式に関連した新たな作用素不等式やノルム不等式を開発する研究を行っている。更に、作用素不等式や量子情報理論で知られている結果を基にした非可換情報理論の研究を行っている。

主な研究業績

論文

1) Masatoshi ITO and Eizaburo KAMEI: A complement to monotonicity of generalized Furuta-type operator functions, Linear Algebra and its Applications, Vol.430, 544--546, (2009).

2)Masatoshi ITO: Parallel results to that on powers of p-hyponormal, log-hyponormal and class A operators, Acta Scientiarum Mathematicarum (Szeged), Vol.75, 299--312, (2009).

3)Masatoshi ITO and Eizaburo KAMEI: Mean theoretic approach to a further extension of grand Furuta inequality, Journal of Mathematical Inequalities, Vol.4, 325--333, (2010).

4)Masatoshi ITO: Matrix inequalities including Furuta inequality via Riemannian mean of n-matrices, Journal of Mathematical Inequalities, Vol.6, 481-491, (2012).

5)Hiroshi ISA, Masatoshi ITO, Eizaburo KAMEI, Hiroaki TOHYAMA and Masayuki WATANABE: Generalizations of operator Shannon inequality based on Tsallis and Rényi relative entropies, Linear Algebra and its Applications, Vol.439, 3148-3155, (2013).